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鍋割山



標高:1273メートル 神奈川県秦野市 登山適期:3月下旬〜12月中旬 日帰り可能 最寄駅:渋沢駅  登山レベル:4






この鍋割山はハッキリ言って登るのが単調で辛い。山頂辺りまで行ってようやく眺望が望めるようになるが道中背の高い木に遮られ、いつまでたっても同じ場所をぐるぐる回っているような感覚に陥る。


秦野市の大倉バス停からのアプローチが一般的であるが2時間ちょっとかかる。






いろいろとルートはあるが塔の岳とセットで登る方が多いと思われる。その場合は秦野市と松田町の境部分を直答するルートが効率的。




このような風景が延々と続く。ここは丹沢山系の山の中でもちょっとマイナーな山であるため、それほど人は多くない。ちなみに山頂部分は秦野市・松田町・山北町の境になっている。






苦労してたどり着くとご覧のような眺望が楽しめる。山頂には山小屋があって物資の補給や宿泊などもできるようになっている。この山小屋を起点にして丹沢湖方面に下るのも良し。塔の岳経由で丹沢山・蛭ヶ岳を目指すのも良し。縦走してヤビツ峠に出ればバスで秦野駅に帰ることもできる。






おまけ






夜間登山と鹿の恐怖




上の写真を撮影したのは2010年8月29日であるが、実はこの山は以前真夜中に登ったことがある




25〜26歳くらいの時だったと思うが、夜間登山はなかなかスリリングで楽しかったのを記憶している。


ただ単に山に登るだけというのはあまりにも退屈で疲労がツラい。でも様々な(許容範囲の)アクシデントは時に単調な登山に刺激を齎し、良いスパイスとなる。


ハッキリ言って不安がないわけではなかったが、買ったばかりの高価なヘッドライトを試してみたいというのもあった。




実際は登山の最中はそれほど暗さは気になるほどではなく、それよりも野生の鹿がかなり怖かったのをよく覚えている。


その時は3人で登っていたが、急に崖の上から我々をめがけて石が落ちてきた。


「危ない!」と避けたが、落ちてきた方向を見てみるとなにかガサガサ音が聞こえる。


おそらく野生の鹿がテリトリー(縄張り)に踏み込んできた人間に警告を放ったのだろう。それを理解したとき、夜行性である彼らの縄張りに入り込んで行くことの危険さを実感した。




野生の鹿が人間を襲うことはまず無い。以前丹沢山系の大山の山頂で私は鹿に襲われた経験を持つが、それは近寄ってツーショット写真を撮ろうとしたからであって、むやみに近づかなければ害はない。


しかし、近くに子鹿がいた場合は間違いなく親鹿は襲ってくるし餌場を荒らすものには容赦は無いだろう。




鍋割山の山頂に到着すると山小屋があるが、当然ながらこの時間は閉まっている、みなさん熟睡中だ。


我々も腰を下ろして休憩しようと思ったが、ふと周りを見渡してみると30匹くらいの鹿の群れが一同にこちらを見ている。


光るものが見えてはいたがそれは下界の明かりや星だと思っていた。でもよく見るとその明かりは鹿の目だった。


さすがに数が数だったのでこの時ばかりはかなり怖かった。


休憩もそこそこに我々はさらに塔の岳を目指してそそくさと鍋割山山頂を後にした。




夜間登山は究極の非日常を味わうのにはうってつけだと思います。ただ、平時に比べて相当気温が低くなるのと、前述の通り夜行性の野生動物に遭遇する危険性は昼間に比べて格段に増えてしまう。


夜間登山をする場合は絶対に単独行動は避け、装備品は万全にして地形図や食料、ライトの替えの電池も忘れずに用意した上で健康状態が良好な時に望むようにしてください。




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